2016年2月24日水曜日

『サンダーバード』讃!vol.20:~湖底の秘宝~

今回の~湖底の秘宝~は、
日本では第20話、本国イギリスでは第8話として放送されました。
SB4号(水中作業船)が活躍します。



この回は異色・異例のストーリー展開です。
舞台は、エジプトからサハラ砂漠にかけての設定で、
ギザの三大ピラミッドの風景も登場します。

どうやらサハラ砂漠のアナスタ湖に沈む秘宝を探しに、
国際救助隊のブレインズとミンミンが探検に出掛けて、
考古学者=ブレークリー教授と共同で調査をするという情報を、
敵役のフッドが察知して、きな臭い状況になっていく・・・
というところから、物語は始ります。

灼熱の砂漠でも快適なキャンピング・キャラバン・カーを
サンダーバード2号で運んでもらって現地入りした
ブレインズとミンミンは、片やポンコツ車で駆けつけた
ブレークリー教授として合流、
アナスタ湖に向かいます。

ところが、早々にフッドの魔力にかかって捕えられてしまします。
特にブレインズは、砂漠に首を残して埋められてしまい、
絶対絶命のピンチとなります。

その他、湖底に沈む遺跡をスキューバ・ダイビングするシーンやら、
湖底の遺跡が崩落するシーンや、
最終的には4号まで出動して救助活動を行なったり、
様々な凝った場面が登場します。
これらが、全て手作りの実写人形劇なのですから、
何度も言うようですが、恐れ入ります。

何しろ、現場の長期滞在となったスコットとバージルは、
次第に無精ヒゲが伸びているというところまで、
しっかり作り込まれているのですから・・・


ブレインズを助ける
スコットとゴードン










アナスタ湖の遺跡に潜る
ブレインズ

2016年2月16日火曜日

『サンダーバード』讃!:vol.19~オートレーサーアランの危機~

 今回の~オートレーサーアランの危機~は、
日本では第19話、本国イギリスでは第20話として放送されました。



トレイシー兄弟の5男、つまり末っ子のアランが主人公です。
アランは、放送当時、本国イギリスでは、
長男スコットと人気を二分していたそうです。
ややベビーフェイスの末っ子の雰囲気が、
女性ファンの心を惹き付けていたのでしょうか。

アランの主要業務は、宇宙ロケット=サンダーバード3号の
操縦担当ですが、時々、2男のジョンに交代して
宇宙ステーションのサンダーバード5号の駐在も担当します。
また、執事のキラノの娘であり隊員としても活躍する
ミンミンと、どうやら相思相愛の関係のようでもあります。

そのアランは、なかなか多趣味な青年らしく、
今回のストーリーでは、カーレースのドライバーとして
活躍する姿が描かれます。
実写人形劇で疾走するスポーツカーをリアルに表現するという
離れ業を、この番組の制作チームは素晴らしい臨場感をもって
達成しています。流石の出来です。

さて、ストーリーは、一度は引退した天才ドライバー=
アランの現役復帰を面白く思わない悪徳レーサーに、
終盤の大接戦で体当たりも交えた攻防を挑まれますが、
何とかトップでチェッカーフラッグを受けます。

それを更に嫉んだ悪徳一味に、アランと祖母(父・ジェフの母)が
拉致されてしまい、灼熱の砂漠地帯の深い谷に架かる橋に、
超音波探知機付の爆弾と共に置き去りにされてしまいます。
意識朦朧となりながらも、不動の姿勢を保ちながら
1号のスコットと2号のバージルとブレインズの救助を待つ・・・
という展開が、いつにも増してハラハラドキドキです。

手作りの素晴らしさを、この回も存分に堪能できます。


写真は、橋の上で朦朧としている
アランのアップです。




2016年2月11日木曜日

『サンダーバード』讃!:vol.18〜秘密作戦指令〜

 今回の~秘密作戦指令~は、
日本では第18話、本国イギリスでは第26話として放送されました。

この「秘密作戦令」は、心和む番外編です。

救助活動中に、現場近所に住む少年=チップ君が、
着陸待機中のサンダーバード2号の装備コンテナの中に
入り込んでしまい、そのまま一緒に帰還してしまう!?
というところから、このコミカルな物語は始ります。

東西冷戦たけなわの時代に制作されたこのシリーズですから、
国際救助隊の先進技術が何者にも悪用されないように、
写真一枚撮らせない厳格な秘密主義を貫いているという
設定になってる訳ですから、可愛い闖入者といえども一大事です。

しかし無下に追い返す訳にもいかず、
また、自分の関った救助活動を自慢したくもある各隊員は、
可愛くも少々生意気なチップ少年にまんまとほだされて、
基地の各所を案内したり想い出話に興じたり・・・
果ては、箝口令を指示していたパパ=ジェフ自身までが、
好々爺になってお喋りする始末で・・・

結局は、眠っている間に送り届けて、
夢の中での出来事だったと思わせることにしたという、
何ともソフトな「秘密作戦命令」なのでありました。

それにしても、南海の孤島にある(と思われる)
国際救助隊の基地をカモフラージュしている
トレイシー邸は、何とモダンなデザインでしょう。
ル・コルビュジェ設計のサヴォア邸や、
フランク・ロイド・ライト設計のカウフマン邸/落水荘
といった近現代名建築にも一脈通じることは、一目瞭然です。



そのトレイシー邸のテラスの延長には、
プールが優雅に曲線を描いています。
実は、緊急出動態勢になるとこれがスライドして、
地下の基地からサンダーバード1号が、
轟音を鳴り響かせて飛び立っていくのです。
これがまた恰好良いのです!



チップ少年でなくても、この基地とトレイシー邸には、
是非とも行ってみたいものです。
何方か、テーマパークを造ってくれませんか!?
完成オープンしたら、絶対に行きますよ!




2016年2月2日火曜日

『サンダーバード』讃!:vol.17〜スパイに狙われた原爆〜

 今回の~スパイに狙われた原爆~は、
日本では第17話、本国イギリスでは第7話として放送されました。

この回は、タイトルからも想像できる通り、
スパイ物のテイストが色濃いストーリーです。
実際に、登場人物の人形を、
当時関連スタジオに別件で出入りしていた
ロジャー・ムーアをモデルにして造られていたり、
長男のスコットが実は若き日のショーン・コネリーを
モデルにしているらしいこと等、
このサンダーバード・シリーズは、後にスパイ映画の
定番シリーズとして絶大な人気を博すことになる
<007シリーズ>と、少なからず因縁があるようです。

この~スパイに狙われた原爆~のストーリーも、
ますで映画のように手の込んだもので、
最初のビル爆発事件のストーリーとは
また別の事件が裏に隠れていて、
二重の展開を見せてくれます。
ロボットが見張る最新設備の大金庫から、
アイソトープを盗み出そうという、
とんでもない強奪計画が裏に潜んでいたのです。

細かな演出にも随所に<007シリーズ>や<スパイ大作戦>
に通じるような小ネタも満載で、なかなか楽しめます。

いつも言うようですが、これが実写の人形劇なのですから、
本当に恐れ入ります。

・・・救助現場に着陸するTB1号・・・



                 ・・・物語序盤で活躍する防火エレベーター・・・




















そして今日は、撮影シーンの貴重な映像をリンクしておきましょう。